エルバルーチェ(Erbaluce)は、世界的にも北イタリアピエモンテ州のカルーゾ地区近辺でしか見られない珍しい土着の白ブドウ品種です。
特徴は、果房は中程度の大きさ、果皮は黄緑色で、やや厚めで丈夫。基本的には、優しい甘みが感じられる一方で、酸味もしっかりした骨格のあるバランスに優れたワインを生み出します。
熟したブドウが秋の太陽の下で、赤銅がかったピンク色に見え、ローマ人はブドウを通して見える光のことを古い言い方で『アルバルーチェ(Alba luce、夜明けの光)』と呼んだことが名前の由来といわれています。また、アルバルーチェと呼ばれる太陽神と夜明けの神との間に生まれた女神の名前という説もあると言われています。
バルベーラ(Barbera)はピエモンテ州原産と言われています。現在ではアメリカを始めとして国外でも最も多く栽培されているイタリア土着品種の一つです。ピエモンテでは作付面積の半分程を占めており、収穫量が多く、比較的安価なワインとなるため、地元でも人気のワインです。
ブドウの特徴は、果房は中型の逆ピラミッド型、果粒は楕円で中粒、果皮は薄いが強い皮の表面を覆う蝋紛が多く、濃い青色です。基本的にはタンニンをあまり含まず酸味が強く、特徴的なスミレの香りの、濃いルビー色をした赤ワインとなります。
ブドウ品種は基本的に男性形のイタリア語で呼ばれますが、バルベーラだけは女性形。親しみやすい特徴から“ラ・バルベーラ”と呼ばれ、地元ピエモンテでは非常に愛されています。
ネッビオーロ(Nebbiolo)は、北イタリアピエモンテ州の土着品種です。現在はその他にもロンバルディア州、ヴァッレ・ダオスタ州で生産されていますが、ネッビオーロと呼ばれるのはピエモンテ州のみで、ロンバルディア州ではキアヴェンナスカ、ヴァッレ・ダオスタ州ではピクトゥネールと呼び名が変わります。イタリアのブドウの中では特に貴重で、土壌、温度、湿度、日あたり等の栽培条件がきわめて難しいとされています。
イタリアワインの中でも最高級に格付けされている人気の赤ワイン、バローロやバルバレスコはこのネッビオーロから作られています。
ブドウの特徴は、果房は中型の逆ピラミッド型、果粒は中粒、果皮は薄いが強さがあり蝋粉が非常に多く濃い紫色です。基本的には非常に色が濃く、若い間はタンニンと酸味の強い赤ワインとなり、樽の中で3年から4年熟成されると味わいが広がり高級ワインとなります。
ネッビオーロの語源は、白い蝋粉が“nebbia(ネッビア / イタリア語で霧)”のように見えるという説と、ネッビオーロが熟成する10月中旬ごろ、ピエモンテの狭い谷が霧に包まれることに由来する説とがあります。