バーニャカウダを徹底的に解説するページ
はじめに
バーニャカウダ(Bagna Cauda)はイタリアの山岳丘陵地帯であるピエモンテ地方の郷土料理です。野菜を熱々のバーニャカウダソースにディップして食べる独特のスタイルは、比較的カジュアルな野菜料理として広く人気があります。バーニャカウダソースのベースとなるアンチョビが日本人の味覚とマッチする上に、色とりどりの野菜と組み合わるビジュアルプレゼンテーションも優れています。高級グロサリーストアから、一般的なスーパーマーケットでも「バーニャカウダソース」が各種販売されており、家庭の食卓でもポピュラーになってきているといえます。今や消費者の多くはバーニャカウダがイタリアの郷土料理であるということすら意識せずにいるかもしれません。
このように「バーニャカウダソース」商品が数多く販売されている状況の中、以前にピエモンテの人と、日本国内の食料品店をまわり、目にする限りの“バーニャカウダソース”商品を購入して試食評価をしたことがあります。その結果、ピエモンテ人によると「一つとして本当のバーニャカウダは無い。どれもイミテーション商品。」というのがその評価でした。原材料に大きな問題があるという指摘です。
本物のバーニャカウダソース原料は非常にシンプルな構成です。
【本当のバーニャカウダの原料】は、
・アンチョビ・オリーブオイル・にんにくの3つだけです。しかしながら
【日本で市販されているほとんどの商品の原材料】には次のようなものが含まれているのです。
・アミノ酸等のうまみ調味料・酢・脱脂粉乳・でんぷん・カゼインナトリウム・香料・アンチョビソース(←アンチョビではありません)・煮干しエキス・酵母・たまねぎなどの香味野菜・魚醤・増粘剤・ゼラチン・糖類・ステビアなどの甘味料・ショートニング・オリーブオイルでない油脂
主原料のアンチョビや良質なオリーブオイルが高価なために、アンチョビの使用量を極力減らして代替原料で魚感を演出したり、味にパンチを加えたり濃厚感を演出するためだったり、さらに大量生産の味のばらつきを抑制する目的で代替原料や添加物を最大限活用しているものと考えられます。当然ながら、バーニャカウダの故郷であるピエモンテの人には、このような日本独特の“バーニャカウダソース”は「不気味なイミテーション食品」として感じるようです。
このページでは、郷土料理としてのバーニャカウダの起源や、現地オリジナルレシピなどを紹介することで、本来のバーニャカウダの味を理解してもらうことを目的としています。 それでは、ピエモンテ郷土料理のバーニャカウダについての説明を始めます。
バーニャカウダの起源
バーニャカウダの語源: Bagna(ソース)・Cauda(熱い)…つまり熱いソースを意味する言葉が語源となっています。
バーニャカウダの起源とみられる料理“Anchoiadeアンショアード”:バーニャカウダの起源と考えられる料理が、フランス・プロヴァンスで見られます。
L’ Anchoiade アンショアードは典型的な南仏プロバンス料理であり、南フランスで今でも食べられています。レシピでは、アンチョビ、ニンニク、 ケッパー、オイルを使用します。材料を練って混合しアンチョビソースを作ります。そこに生の季節野菜(パプリカ、セロリ、ニンジンなど)を浸します。主に夏の料理で、白ワインまたはロゼワインを組み合わせることが慣習となっています。
L’ Anchoiade アンショアードは、おそらく中世にはすでに存在し、ピエモンテ州南部の塩とアンチョビの商人-アスティジャーノ(アスティの人)とクネーゼ(クネオの人)が彼らの取引と一緒にこのレシピを輸入したということでしょう。山岳地帯のイタリア・ピエモンテ全体に広がるまで、多少のレシピの進化をしていきました。
塩の道を通じてアンチョビがピエモンテの郷土食となりました
塩の道=アンチョビの道:昔、海に面していない山岳地域のピエモンテでは、塩を入手するにはリグーリアやプロバンスといった沿岸地域から供給してもらわなければなりませんでした。これは紀元前1800年代まで遡ります。そのルートはニース(Nice)→ブロー峠(col de Braus)→ソスペル(Sospel)→ソルグ(Saorge)→テンダ峠(col de Tende)→ピエモンテ(Piemonte)、クネオ(Cuneo)、トリノ(Trino)に至ります。
このようなルートで塩の道ができあがっていたのですが、イタリア20州がそれぞれの国として分かれていた時代には、塩が国境を通過する際には関税がかけられていました。そこで考えられたのが、塩よりも税率が低いイワシに大量の塩をまぶしたもの(つまり塩蔵アンチョビ)を輸入するという取引でした。このようにして、ピエモンテ州にはアンチョビが運ばれるようになりました。ピエモンテに運ばれたアンチョビのうち、塩の固形分はお金持ちに、イワシ(アンチョビそのもの)は庶民へと流通しました。こうしてアンチョビ自体がピエモンテの名物となり、またアンチョビを原料とする料理も郷土料理として定着しました。
このようにピエモンテ地方で広まったアンチョビ料理ですが、19世紀の終わりまで、バーニャカウダは貴族のテーブル、ブルジョア階級の家では食べられなかった模様です。
伝説によれば、マダム・レアーレ-ジョヴァンナ・バッティスタ・ディ・サボイア(1644年-1724年:サヴォイアの王女として生まれ、のち結婚によりサヴォイアの公爵夫人)はバーニャカウダを非常に気に入っており、トリノの王室で習慣的にそれを食べていたとされます。
その後、1900年代にバーニャカウダは料理として再評価され、改良され、今日ではイタリアの美食の1つと見なされるようになりました。
郷土料理としてのバーニャカウダ
食べ方
イタリアの料理構成では、前菜(アンティパスト)、1番皿(プリモ・ピアット)、メイン皿(セコンド・ピアット)とカテゴリーが分かれますが、バーニャカウダはどれにあたりますか?・・・
…バーニャカウダはそれ一品で完結する料理です。
一般的に、バーニャカウダを準備するときは、前菜も追加の料理も必要ありません。栄養成分としては、炭水化物、タンパク質、脂肪を含む完全な料理です(脂肪については、少し多すぎるかもしれません)。
バーニャカウダの季節はいつ?
バーニャカウダは秋の料理です:伝統的に、必要な野菜の入手季節に依存しています:カルドゴッボ(後述します)、パプリカ、トピナンブール(後述します)などは、すべて秋と冬の野菜です。今日、季節に関係なく野菜が入手しやすくなりましたので、バーニャカウダは夏でもクリスマスでも季節に関係なく食べられます。しかし、伝統料理としてのバーニャカウダは単なる料理ではなく、一種の季節イベント的要素がある食事でもあります。ピエモンテでは11月の食べ物という認識が正しいです。
どうやって食べる?
バーニャカウダには、ソースを温めておくためのキャンドルをセットするポットが必要です。
フジョーまたはトゥピンtupinと呼ばれる加熱容器は特別な土器のボウルであり、その下に小さなキャンドルを挿入するための空間があります。
カロリー摂取量
バーニャカウダは野菜をたっぷりと食べることができるので、バランスの取れた軽めの食事であると思いますか?
意外なことに、バーニャカウダはカロリーの高い料理です:オリーブオイルをたっぷり使うので、これは致し方ありません。気になさる方はバーニャカウダソースの上層に浮いているオイルの層を避けて食べるなど工夫をしてみてください。
消化
本物のバーニャカウダのレシピではニンニクが結構な量入っているので、ニンニク料理を食べるという意識が必要かもしれません。
また、バーニャカウダは、ネギやパプリカ(ピーマン)などの、繊維の多い野菜を摂取します。バーニャカウダに使う野菜は、生のものと加熱したものを取り交ぜますが、生野菜ばかりの摂取は消化の負担となる可能性があります。
子供
子供たちはバーニャカウダが好きです。一般的に子供の多くは野菜好きではありませんが、バーニャカウダならおいしく食べられます。
バーニャカウダの食後にデザートは?
チーズ
バーニャカウダの食後にチーズの盛り合わせなどを提供しても良いかもしれません。ゴルゴンゾーラのような強い味のチーズが合うようです。
甘いデザート
ブネット:ピエモンテの伝統的なチョコレートプディングです。ココアのほろ苦いタンニンはバーニャカウダの味覚を引き締めるので、締めくくりとしてよくマッチします。
メレンゲ:メレンゲの歯ごたえは繊細で軽いデザートとして最適な味わいです。
モンブラン:バーニャカウダには最高の組み合わせです。栗はバーニャカウダの時期が旬であり、そのタンニンはソースの脂っこさをリフレッシュさせます。
バーニャカウダ祭り(Bagna cauda day)
アスティのニッツァ・モンフェラート(Nizza Monferrato)という街ではカルド・ゴッボというゴボウとセロリの中間のような野菜が栽培されています(前述の通りです)。この野菜がバーニャカウダに欠かせない存在となっています。このカルド・ゴッボの収穫の時期にあわせて、毎年11月の第3日曜を含む週末には「バーニャ・カウダ祭り」が開かれます。
バーニャカウダ祭りのスケジュールや、会場となるレストラン情報などは下記のURLをご参照ください。
バーニャカウダソースの原料
ソースは3つの主要な材料で構成されます。それぞれについて説明をします。
オリーブオイル
ソースの主な成分です。エキストラバージンオリーブオイルのなかでも強い風味を持つものは、その風味がバーニャカウダの邪魔をしてしまいますし、そのようなオイルは過熱せずに食べるほうがよいかもしれません。
良質の製品を選択することが重要ですが、辛味・風味の強いエキストラバージンオイルはあまり合いません。バーニャカウダの歴史と地理を考慮して、リグーリア産あるいは、リグーリア産のように風味が穏やかなエキストラバージンオリーブオイルを使用することをお勧めします。日本のスーパーマーケットで安価に売られている「エキストラバージンオイル」は原材料がエキストラバージンオイルとはいえませんので、一定以上の高価な「エキストラバージンオイル」から選んでください。
アンチョビ
アンチョビは間違いなくソースの最重要な成分です。地中海のアンチョビは沿岸国に共通する、美食文化の代表的な食材です。
アンチョビ原料のカタクチイワシ(学名Engraulis encrasicolus)は、地中海および大西洋の東部で見られる小さな遠洋魚です。新鮮な消費に適していますが、塩や油での貯蔵にも適しています。バーニャカウダの準備には、塩漬けのアンチョビが使用されます。カタクチイワシは、塩で処理および保存することにより、生で食するときには持っていない香りと風味を獲得します、これはもともと体内にある酵素によって熟成が進むためと考えられます、。それらの香りと風味がソースを特徴づけます。とりわけ、塩蔵による熟成はうま味を増大させます。
アンチョビは、漁獲の季節や、海域に応じて、風味が異なります。
伝統的に、カタクチイワシ漁は夏に行われ、塩漬けに加工された後、約6か月後の秋または冬に消費されました。
イタリアでのアンチョビ漁はリグーリアとシチリアで行われ、アンチョビの博物館もありますが、ティレニア海沿岸のトスカーナにも漁場がありました(ティレニア海はほとんどの魚が獲られる海です)。
イタリア以外では、最もよく知られている漁業地域はポルトガルとスペイン(カンタブリア海)でしたが、モロッコは人件費の低さから重要な生産地になりました。アンチョビの内臓、小骨の処理は完全に手作業なので、人件費コストは重要です。今日アンチョビは製造コストの面から、非常に高価な食材となってきました。
過去にバーニャカウダソースの材料に使用されたアンチョビは、主にリグーリア州とフランス南部のいわゆるピエモンテ塩ルートの出発地から来たものと思われますが、近年何十年を経て、アンチョビは世界的な商品となり、原産地から各国のスーパーマーケットやデリカテッセンの棚まで数千キロメートルもの流通経路を経る国際商品となりました。
イタリア産のものは永い歴史の洗練を受けているために当然においしく、第一の選択肢となります。第二の選択肢としてはスペインの赤いアンチョビが近年人気があります。高品質の製品の中では最も手頃な価格で入手できるものです。肉は赤っぽい茶色で、風味は強く繊細なのが特徴です。肉は固くしっかりしていて、同時にしっとりねっとりとした食感があります。
にんにく
日本の店頭においては、にんにくの種類というものの概念はありませんが、イタリアのニンニクには多くの種類があります。最も一般的なものは、カラグリオ、ピアチェンツァの白、スルモーナの赤、ヴェサリコの赤、ボギエラの赤、ヌビアの赤などです。
皮をむいてから薄くスライスします。芯の部分は除去することをお勧めします 。
バーニャカウダソースのレシピ
バーニャカウダはもともとは貧しい庶民の料理でした。調理法を簡単に言えば、「ニンニクを牛乳で数回煮こぼしながら柔らかくして、骨をぬいたアンチョビと一緒にオリーブオイルでのばす」というシンプルな料理です。昔は生にんにくを大量に入れていたそうです。
現代のレシピでは、にんにくは軽く加熱します。
まず…にんにくの皮をむき、スライスして、沸騰した牛乳に浸します。10分間加熱し柔らかくして、そのまま冷まします。これに続いて、次のようなレシピでソースを作ります。
ソースの準備:伝統的なバージョン
材料
・オリーブオイル:1人あたり約100ml
・アンチョビ:1人あたり約50g
・にんにく:1人あたり3片~1ホール(前述の方法で牛乳で茹でる)
シンプルなバーニャカウダのレシピです。材料の過熱には低い温度で時間をかけて調理する必要があります。
まず、アンチョビ処理から始まります。塩漬けの場合は塩を軽く流します。尾とすべてのひれも除去する必要があります。クッキングペーパー等で水気を取ります。(オイル漬けのアンチョビの場合はそのまま使います。)
水気を取ったアンチョビを鍋に直接並べます。そこにオリーブオイルを追加します。(オイル漬けのアンチョビの場合は、漬けてあるオイルを使います)
木べらなどで、アンチョビをペースト状につぶしながら加熱します。アンチョビが温まってきたら、この時点で、前もって牛乳処理したニンニクを投入します。さらに全体をペースト状にするように木べら等でまんべんなくつぶします。
クリーミーで均一になったら、残りのオイルを追加します。
ソースの準備:クリーム入りバージョン
1970年代から1980年代にかけて、料理に生クリームを使うことがトレンドだった時期があります。この時期に登場したレシピです。
生クリームはソースになめらかさや濃厚さを加えます。わずかに甘味を加えることにもなります。
さらに、オイルと同量を生クリームに置き換えることにより、若干低いカロリー摂取につながります(飽和脂肪酸が多くなりますが)。
伝統的なレシピの後半を下記のようにアレンジできます…
アンチョビとにんにくの混合物が均一な粘度に達したら、再度10分間調理し、生クリームを加えて弱火で煮込み、時々かき混ぜます。
このように生クリームが追加される場合、調理時間が長すぎてはなりません。長すぎると混合物が乾燥し、クリーミーでなく粘着性になります。
ソースの準備:にんにく無しのバージョン
材料:
・オリーブオイル:一人当たり約100ml
・アンチョビ:1人あたり約50g
・アーティチョーク:一人当たり1つ
・牛乳:一人当たり100ml
にんにくなしのバーニャカウダというものは、基本的にバーニャカウダとは呼びません。とはいえ、ニンニクが苦手な人にはにんにくをアーティチョークに置き換えます。
このようにして作られたソースの風味、香りはオリジナルレシピのものとは違いますが、アンチョビの強い風味がありますので、バーニャカウダ的なものとしては受け入れられるはずです。
準備はアーティチョークから始まります。
よく洗浄し、皮をむき、スライスします。その後、少なくとも40分間牛乳で加熱します。まだ粉砕されていない場合は、粗いピューレになるまで、フォークや木べらで崩してペーストにする必要があります。
前処理したアンチョビをフライパンに入れ、オリーブオイルを追加します。 アンチョビは熱ですぐに崩れて、数分で粗いクリームができます。この時点で、準備したアーティチョークのピューレと残りのオイルを追加します。粗いクリーム状になってきたら木べら等で崩します。混合物がクリーミーで均質になるようにします。
野菜:どんな野菜を使うか
バーニャカウダにディップする野菜は、伝統的にはほとんどすべて秋の野菜です。近年、いろんな野菜が流通していますので、選択肢が広がっています。野菜については、通常、5~6種類の野菜を準備できれば十分です。生野菜のままつかったり、素材によっては加熱して使います。
ソースにリンゴや梨などの果物を浸すのが好きな人もいます。
焼きたてのポレンタのスライスやパンなどをディップしても良いです。
ピエモンテ地方の生野菜
カルド・ゴッボ(cardo gobbo)
カルド・ゴッボ(cardo gobbo)という野菜があります。ピエモンテ州のニッツァ・モンフェラート(Nizza Monferrato)周辺が産地です。繊維感はセロリのようで、香りはゴボウのような野菜です。苦い後味が特徴です。生の状態で食べます。
もともとはアーティチョークの野生種ですが、アーティチョークの一般的な可食部と違って、その茎の部分を食べるという点が違います。ホワイトアスパラガスの栽培のように、茎の部分に土を盛って日光が当たらないように育てたのがカルド・ゴッボです。
トピナンブール(topinanbur)=キクイモ
ショウガのような外観で、シャキシャキした食感の根塊野菜です。流水で洗浄し、汚れの残留物を除去してから水分をとります。生で食べられます。ナイフで適当なサイズにスライスしながら食べます。
サボイキャベツ(Verza)=ちりめんキャベツ
サボイキャベツは生で食べられます。一般に、繊維が堅すぎる外側の葉は使用されません。葉をはがして、水洗いし、もしあれば、遠心分離機を使用してよく乾燥させます。 約3センチメートルの短冊状にカットして提供します。
ネギ
一番外側の部分を取り除き、流水でよく洗い、約20cmの長さの茎の部分を使います。味を良くするには、ソースにディップする前に、少し力をかけてつぶします。
きのこ類
流水で十分に洗浄し、乾燥させてください。そうしないと、茶色に変色してしまいます。
スーパーで売っているマッシュルームよりも珍しいポルチーニを好む人もいますが、普通のマッシュルームのほうが香りはフレッシュでシンプルで、ソースのしっかりとしたフレーバーとよく合います。
ラディッキオ(Radicchio)
ワインレッドの色が鮮やかなイタリア野菜です。近年では日本でも栽培されており、入手可能となっています。
フィノッキオ(finocchi)
フェンネル(=ウイキョウ)の根です。生で食べるとアニスのような香りがあります。
【参考】プンタレッラ
プンタレッラはローマで食べられている野菜です。チコリア・アスパラジオという原名です。茎がいくつにも分かれており、その中は空洞になっています。それぞれの茎を分解して、さらに繊維に沿いながらカットして食べます。苦味とともにほのかな甘さがあります、水にさらして生で食べます。
調理野菜
ジャガイモ
ジャガイモは茹でて使います。
パプリカ
パプリカは、バーニャカウダのいわば定番野菜であり、必須アイテムです。生でも加熱でも食べることができます。
生のパプリカを使う場合には洗って2つに切り、種を取り除き、2cmくらいにスライスします。加熱する場合、180℃のオーブンで焼きます。オーブンから取り出すとすぐ に、皮を取り除きます。オーブンから出してすぐの皮は乾いているので簡単に剥がれます。そして冷まします。
カリフラワー/ブロッコリー
カリフラワーはゆでなければなりませんが、歯ごたえを失わないようにしてください。鍋の沸騰したお湯で約10分間調理した後、フォークまたはつまようじで刺してみます。目的の硬さを感じたらすぐに、たっぷりの冷水で冷ましてください。
カリフラワーは、すぐに使用できるように小さな房に切って、常温で提供します。
たまねぎ
たまねぎは加熱します。大きな玉ねぎの場合はオーブンで焼きます。準備は簡単です。たまねぎの外皮をはがし、食べやすい大きさにカットします。たまねぎを180℃のオーブンで、15〜20分間焼きます。加熱しても若干のシャキシャキ感を残したほうがおいしいかもしれません。つまようじを使用して好みのシャキシャキ感を確認します。オーブンからたまねぎを取り出した後、冷まし、室温で提供します。
ニンジン、ズッキーニ、芽キャベツ
ニンジンとズッキーニは、伝統的にバーニャカウダには使われていませんでしたが、
手に入れやすい野菜なので便利です。ニンジンは生でも加熱しても、芽キャベツは茹でて、ズッキーニはスライスしてフライパンで軽く焦げ目をつけて使います。
その他の材料
焼きポレンタのスライス
硬めに調整したポレンタを型に入れて、オーブンで焼き、それをスライスします。
茹でたうずらの卵
野菜ではありませんが、茹でたうずらの卵は見た目も楽しく、おいしいです。
パン
全粒粉で作られた田舎風パン(カンパーニュ)が合います。
リンゴ
最近では、バーニャカウダにディップする食材として、いろいろなものがトライされています。リンゴの酸味と甘い風味は、バーニャの風味と脂肪と対照的です。
生卵
バーニャカウダソースを食べ終わった後に、締めの料理としてポットの中に生卵を落としてバーニャカウダソースと一緒に加熱します。バーニャカウダ味のオムレツができます。地元では定番の食べ方となっています。
バーニャカウダに合わせるワイン
白ワイン
この料理の風味のベースは魚ですから、ベストマッチは白ワインであるという結論になりますが、実際のところはバーニャカウダソースの魚風味は非常に強力で脂肪分も豊富です。白ワインではパワー不足かもしれません。定番の組み合わせは赤ワインです。
赤ワイン
伝統的にバーニャカウダと組み合わせられるワインはピエモンテ産の赤ワインです。
バルベーラ、ドルチェット、およびフレイザの一部です。
バルベーラ(Barbera)
バルベーラは、ピエモンテに典型的な赤ブドウ品種であり、この地域のほとんどの地域で栽培されています。伝統的にバルベーラはシンプルで丈夫な弱酸性のワインです。
最も有名なバルベーラはバルベーラ・ダスティで、アスティ地区のほぼ全域で生産されています。
地元ではバーニャカウダとの定番かつ鉄則の組み合わせとなっています。
カナヴェーゼ バルベーラ DOC(Canavese Barbera DOC)
<特徴>
外観:濃い色調。濃い赤。時にすみれ
色香り:フルーティーでかすかにパプリカのようなベジタブルな香り
味わい:適度な酸味、タンニンは強くない、包み込むような
相性料理:肉のソースのプリモピアット、熟成したチーズ、サラミ類
ピエモンテの地元民の間で特に愛されているバルベーラのワイン。こちらのワインは木樽を使わず、セメントタンクのみで熟成させているという非常に珍しい商品になります。木樽独特の香りがついていないため、バルベーラ本来の香りが楽しめる逸品です。酸がしっかりしていながらもおだやか、飲みやすいワインです。
外観は赤みの強いルビー色、やや黒味がかって、粘性は中から高。赤い果実を思わせる、フランボワーズや黒すぐり、ブルーベリーの香り、大人っぽく柔らかさのある、すずやかな味わいです。ミディアムボディで肉料理、熟成したチーズに良く合います。
ドルチェット(Dolcetto)
ドルチェットは赤ブドウの品種で、ピエモンテでのみ栽培されています。
主にランゲで栽培され、早熟なワインです。色は非常に濃い紫がかった赤で、ベリー的な香りがします。酸性度はかなり低く、これによりドルチェットは若いうちに消費されるワインとなり、収穫後最初の2年ほどで飲まれます。
ドルチェットのワインは田舎の雰囲気を代表するワインであり、気楽な居酒屋や日常の家庭で飲まれるテーブルワインなのです。
料理にワインを組み合わせるとき、いつでも高級ワインを合わせるのが良いとも限りません。ドルチェットとバーニャカウダの組み合わせは、ピエモンテの日常の一部なのです。
フレイザ(Feisa)
フレイザはピエモンテの赤ブドウ品種で、主に高地のアスティ地域の丘からcollina Torinese(トリネーゼの丘)まで続く区域で栽培されています。
フレイザは発泡タイプ(といっても微発泡です)のものと、泡なしのものとが作られています。
冷やした発泡タイプのフレイザとバーニャカウダを組み合わせることは良い組み合わせです。飲みやすく、適度な酸味と泡、タンニン、わずかにスパイシーなアロマが理想的なペアリングになります。
ヴィン アッレグロ ロッソ(Vin Allegro Rosso)
<特徴>
外観:濃い赤
香り:黒すぐり、チェリー、かすかにベジタブルな香り
味わい:酸味、とてもフレッシュ、細やかな泡
相性料理:食前酒に最適、魚を使ったプリモピアットやピッツァ。軽食。
ピエモンテでは珍しいフリッツァンテ(微発泡ワイン)。バルベーラ、フレイザ、ネレットという土着品種を使った商品です。外観は赤みの強いルビー、レッドチェリー色で繊細な泡を感じることができます。黒すぐりやチェリーを思わせる果実の香りで、味わいは端正でスリムな感じ、繊細で程よい苦味があります。食前酒にはもちろん、魚を使ったプリモやピッツァなどにも良く合います。
当社の取り扱い商品について
イナウディ社のバーニャカウダの紹介
バーニャカウダはシンプルな材料によって作られる郷土料理です。
私たちがおすすめするのは、本当においしい、本物のバーニャカウダソースです。 ピエモンテ州クネオのイナウディ社(https://chichukaifoods.com/inaudi)が製造するバーニャカウダのご紹介をいたします。
イナウディ社は、ピエモンテ州の伝統的なレシピを守り、職人的で高品質な食べ物づくりをしている会社に与えられる“Piemonte Eccellenza Artigiana”のマークをあたえられた会社です。イナウディが製造する正統で伝統的な“バーニャカウダ”の原料は、アンチョビ、にんにく、食用オリーブ油、食塩だけです。
原材料の構成がシンプルなために、すべてに高品質なものを使わないと本当においしい商品にはなりません。
私たち、地中海フーズ株式会社はイナウディ社の日本総代理店として、この商品を日本にお送りすることを誇りに思っています。
イナウディ バーニャカウダ 180g
上品で洗練されたイナウディ社のアンチョビを原料にして作った、アンチョビとガーリックのペースト。本品とオリーブオイル(または生クリーム)を1:3の割合であわせて温めると、お手軽に本格的なバーニャカウダソースが出来上がります。生野菜や茹で野菜のディップにどうぞ。その他、お好きな調味料と合わせてサラダや和え物、パスタ料理の仕上げにもお使いいただけます。工夫次第で使い道の多い優れものです。
製造元:イナウディ社(イタリア)
原材料:アンチョビ、にんにく、食用オリーブ油、食塩
内容量:180g
原産国:イタリア
また、アンチョビ、オリーブオイルなどの材料からバーニャカウダをご自身の手で作りたい方のために、アンチョビ商品もご紹介いたします。
イナウディ アンチョビ フィレ 190g
イナウディのアンチョビフィレは、地中海で獲れたカタクチイワシを職人技による丁寧な手作業で加工しています。程よい塩加減とまろやかな熟成具合が特徴です。
製造元:イナウディ社(イタリア)
原材料:アンチョビ、食用オリーブ油、食塩
固形量:115g
内容量:190g
原産国:イタリア
バーニャカウダ、アンチョビ商品はオンラインショップでご注文いただけます。
amazonで購入することもできます。
オリーブオイル
イナウディ EXVオリーブオイル タジャスカ厳選 500ml
厳選されたリグーリア産タジャスカ種オリーブの実だけから丁寧に搾油されたエクストラバージンオリーブオイルです。明るいゴールドイエローで、上品で繊細な味が特徴です。※低温で白濁したり固まったりすることがありますが、常温に置くと元に戻ります。品質には問題有りません。
製造元:イナウディ社(イタリア)
イナウディ EXVオリーブオイル 500ml
厳選されたリグーリア産タジャスカ種オリーブの実だけから丁寧に搾油されたエクストラバージンオリーブオイルです。明るいゴールドイエローで、上品で繊細な味が特徴です。※低温で白濁したり固まったりすることがありますが、常温に置くと元に戻ります。品質には問題有りません。
製造元:イナウディ社(イタリア)
イナウディのエクストラバージンオリーブオイルはオンラインショップでご注文いただけます。
amazonで購入することもできます。