レストラン・サボナ その世界

今では伝説的レストランとなったサボナでモッラは洗練された料理を提供していました。それはサボイ王国の料理とランゲの伝統料理のミックスされた料理でした。

基本食材は白トリュフ。労働者や専門家、農家そして政治家、ブルーカラーや国際的有閑上流階級たちが一様にサボナのテーブルに着くことが出来ました。地下にはダンスホールがあり、また小さな食堂もありました。そこではイタリアでもっとも有名なオーケストラが演奏をしていました。トリュフ産業が本格化したのはレストランの厨房でした。そして地域で既に繁栄していた会社、チョコレートのフェレッロやテキスタイルのミロリオと比肩するようになっていきました。

1950年代にはモッラはトリュフ王というタイトルを得て、世界中の有名人にすばらしいトリュフを贈りました。アメリカ大統領、ハリー・トゥルーマン、アイゼンハワー、J.Fケネディー、クレムリンの指導者、ニキータ・フルシチョフ、女優リタ・ヘイワース、マリリン・モンロー。イギリスの政治家ウィンストン・チャーチル、エチオピア皇帝ハイル・セラッシー。たくさんの人々がこのトリュフ王の”宮殿”にひきつけられました。哲学者、芸術家、音楽家、普通の人々。アルフレッド・ヒッチコックがランゲを訪れた際、スリラー物の構想を練ったのもサボナのレストランです。
シチュエイショニストのピノ・ガッリツィオはアルバの香りを缶詰にして外国に輸出をしようと思いつきました。フェデリコ・ロッサーノはトリュフへの賛美の歌を書きました。エジプト前国王ファールークはたくさんの従者を率い、トリュフ料理の試食に訪れました。